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遺言作成ケーススタディ

  1. お電話ありがとうございます。丸の内公証役場でございます。
  2. もしもし? 有楽町太郎と申します。遺言のことでご相談したいことがあるのですが…。
  3. 承りました。さっそくですが、遺言の内容はだいたいお決まりになっておられますか?
  4. はい、決めております。
    同居している長男に自宅と土地、次男に都内のマンション・・・・・・、あれ、あとなんだったかな?
  5. そうですね、口頭ですと間違いも起きやすいので、もしよろしければ手書きでも構いませんので一度内容のメモのようなものを作成することをおすすめします。それを元にお話させていただくとスムーズかと思います。
  6. 確かにそうですね、わかりました。では内容をまとめまして改めてご相談することにします。
  7. 承りました。ご連絡お待ちしております。

三日後

  1. 先日遺言作成のご相談をさせていただいた有楽町ですが、遺言内容のメモを作成しましたのでご連絡いたしました。
  2. 初めまして。公証人の丸の内次郎です。遺言の内容のメモをご作成いただいたのですね。それでは、そのメモを私宛にメールでお送りいただけますか?メールアドレスは***です。内容を確認してこちらからご連絡差し上げますので、折り返しの連絡先のご明記もお願いします。
  3. はい。それではお送りしますので宜しくお願いします。

一時間後

  1. 公証人の丸の内次郎です。先ほどお送りいただいた遺言の内容を確認させて頂きました。
    • ご長男に自宅と土地
    • ご長女に東京都練馬区にあるマンション1室
    • この二人にNPO「ヒエログリフ」と姪にあたる千代田花子様に遺す300万円を引いた預貯金と現金を2分の1ずつ
    • 千代田花子様に蔵書一式と飼い犬のポチ、ポチの飼育費として200万円。
    • NPO「ヒエログリフ」に現金100万円
    以上で間違いはないでしょうか?
  2. はい。間違いありません。
  3. それでは、ご用意いただく書類を申し上げます。
    • 印鑑証明書(実印をご持参ください)または
    • 運転免許証
    • パスポート
    • 写真付きの住民基本台帳カード
      ※これは、遺言者の本人確認のための書類です。遺言公正証書の原本に添付する書類ですから必要不可欠です。
    • お客様とお子様たちの続柄がわかる戸籍謄本
      ※これは、相続人の確認のための書類です。
    • 千代田花子様の住民票写し
      ※これは、受遺者との関係を確認し、受遺者を間違いなく表記するための確認書類です
    • 「ヒエログリフ」の登記事項証明書(法人登記簿謄本)
    • 自宅と土地の登記事項証明書(不動産登記簿謄本)と固定資産税評価証明書
    • 練馬区のマンションの登記事項証明書(不動産登記簿謄本)と固定資産税評価証明書
      ※不動産登記簿謄本は、遺言により相続させる不動産を正確に記載するための確認資料で、その他の固定資産評価証明書などは、遺言公正証書の作成手数料の算定のために必要となる資料です。
    • 預貯金のある金融機関名と支店名、それに預貯金及び現金の総額を書いたメモ
      ※預貯金のある金融機関名や支店名は遺言に基づく預貯金の現金化や名義書換などの際に預貯金の特定の手がかりとなる資料です。
  4. 登記簿謄本と登記事項証明書は、全部事項証明書と現在事項証明書とがありますが、不動産登記については、全部事項証明書を取り寄せるようにしてください。
    法人登記については、現在事項証明書で結構です。
  5. ご用意ができましたら資料を持って公証役場までお越しくださるか、お越しいただくことが難しければ全ての資料をPDF又はファクシミリ等で写しを送って下さい。遺言証書の原稿を作成します。
    詳細についてはメールで打ち合わせることも可能です。
  6. これらの書類はどこで入手すればよろしいでしょうか?
  7. こちらになります。
    申請手続きのときに、市区町村によって印鑑や身分証明書が必要であったり、なかったり、また委任状の添付書類に違いがあったりしますので、事前に電話で必要なものを確認しておいた方がよいかもしれません。
    それからこれは申すまでもないことですが、遺言はご自身の財産をどのように遺されるかという大事な文書です。
    作成後に変更もできますが、それにはもちろん時間と手数料がかかります。作成する前に内容は十分にご検討ください。

必要書類

印鑑証明書

住民登録のある市区町村役場の住民課等
印鑑登録証(カード)が必要です。このカードがあれば、代理人でも委任状や印鑑無しで交付を受けられます。郵送で交付を受けることはできません。

戸籍謄本

本籍地のある市区町村役場の住民課等
自分を証明できるものが必要です。(運転免許証、健康保険証など)代理人が請求する場合は委任状が必要です。郵送による取り寄せもできます。

住民票写し

住民登録のある市区町村役場の住民課等
住民票の置かれている自治体が住基ネットに加入していれば、日本中の住基ネット加入市区町村役場から交付を受けられます。代理人が請求する場合は委任状が必要です。郵送による取り寄せも可能です。

法人・土地・建物の登記事項証明書(登記簿謄本)

会社・社会福祉法人・土地・建物とも本店・主たる事務所所在地を管轄する登記所
請求対象の法人、土地又は建物を管轄する登記所がコンピュータ化された登記所の場合は,登記情報交換制度を利用することにより,最寄りのコンピュータ化された登記所で交付を受けられます。民間の「登記簿謄本取得サービス」を利用すれば,翌日か翌々日には居ながらにして入手することができます。郵送による取り寄せも可能です。

固定資産税評価証明書

東京都の場合は都税事務所,それ以外なら市区町村役場で入手できます。代理人が請求する場合は委任状が必要です。郵送による取り寄せも可能です。

課税明細書

毎年市区町村から4月初めに送られてきます。